電子書籍・出版契約の研修を受講したメモ

先日、著作権に関する外部研修を受講したので、その私的メモです。
研修の主催者が出版社の加盟する協会のため、出版社寄りの内容になっています。
また小生の私的メモなのでおかしな解釈などあるかもしれません。ご了承ください。

題名:「電子書籍時代の出版契約」

講師:村瀬拓男 弁護士
●権利構成の違い
▼従来の出版
・複製した「有形物」の契約だった(著作権法79条・2条1項15号)。
▼電子出版
・ROMやメモリーカードでの配布は有形物なので従来の契約でOK。
・電子配信は「公衆送信権(送信可能可権)」(23条)の行使なので別契約。
*自分メモ:著作権の種類
●契約類型について
・「出版権設定」契約→複製権を排他的に許可→「出版権を設定する」
・「利用許諾」契約→著作権の利用許諾
・両者に大差は無い(出版権は文化庁への登録可能、海賊版への抗力あり、出版義務発生)
・独占的な契約では著者自らウェブサイトに掲載することも「不可」となる。
●海賊版への対抗について
・出版物の海賊版への対抗措置は出版権を持つものが行える。
・電子配信での海賊版には出版権では効果がない→著作権者が対抗措置をとる必要がある。
●データの権利について
・電子書籍における出版社の権利はどこにあるか?
→電子化した「データ自体」に対しての権利を主張する必要がある(中身ではない)。
→著者であっても出版社が「電子化したデータ」を許可無く利用させない。
●電子書籍に対して出版社が進む方向
・著作権利用許諾+電子データ化
・著作権利用許諾のみ(電子データ化は配信事業者に任せる)
後者はいわゆる「エージェント」(著作権代行)。出版社として規模は縮小せざるを得ない。
●価格設定について
・書籍は再販商品。電子出版は再販商品として扱われない。
・書籍は定価×発行部数×印税。
・電子書籍は出版社収入のレベニューシェアが良い。
・書籍をレベニューシェアにするのは法的にグレー
 →印刷時点で複製権を行使しているので。
・価格決定権:配信事業者主導(リテールモデル)/出版社主導(エージェンシーモデル)
●その他
・翻訳は別著作物(二次利用)として契約。
・「印税契約」と「著作権譲渡・包括契約」をはっきりさせる。
・雑誌の電子化は一定期間利用として原稿料支払いですませる方向で進めているようだ。
・印刷会社、データ制作会社、配信事業者など関係者が複数いる場合の権利関係。
 →誰がリスク・コストを負担したかはっきりさせる
・出版社もライツ・ビジネスに向かうのであれば契約実務が重要になる。
 →音楽業界は先行している。
●感想
出席者に現場の人間が多かったからかもしれないが、議論の前提(出版契約や著作権関連)を踏まえた上での質問が飛び交い、まさに「いま」電子書籍の対応が求められていると感じた。
オマケ
著作権を少し勉強したく「はてな」で質問してみました。よろしければ情報をお寄せください。
著作権について学びたい考えています。.. – 人力検索はてな

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