ここ数日でマンガを2冊買いました。
PLUTO (1)
以前より車内の中吊りなどの広告で読みたいと思っていた作品です。
あの鉄腕アトムに、しかも人気あるエピソード「地上最大のロボット」に浦沢直樹が挑んでいます。
小生も初めて「地上最大のロボット」を読んだ時は刑事ゲジヒトに憧れました。
いかにも人間然としてスーツなんか着て、それでいて電磁波や熱線が効かない特殊合金。スゴイぜ!シビレルぜ!
・・・と、強いロボット、カッコイイロボットの話題は童心に帰ってしまうのです。
浦澤直樹の手にかかると鉄腕アトムの世界に「Monster」のミステリー要素が加わります。
そして手法もMonster的です。
主人公が人達を訪ね歩く。それぞれの人には背負ってきた過去、人生がある。
もちろんアトムの世界では「人」はロボットでもあります。
この手法も少し手垢のついた感があり、こうすれば泣くだろ、感動するだろのような戦略も見えてしまうのですが、そこはおとなしく戦略に乗りましょう。
そうすればあなたもまたゲジヒトと一緒に未来の世界を訪ね歩き、そしてアトムに出会えますよ。
「きみがアトム君だね」
原作とあわせて読める「PLUTO 1 (1) 【豪華版】」がおすすめです。
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ブラックジャックによろしく 10 精神科編 2 (10)
WHOの研究により統合失調症(旧名:精神分裂病)の各国の発病率は平均1%(日本は0.8%)であることが判明しています。
つまり統合失調症は誰でも罹患の恐れがある普通の病気だと言えるのです。
(そして普通の病気と同じく薬剤による治療が主です)
そんな統合失調症を描いた精神科編の2巻目。
今回は病気自体を描くというよりも、周囲の理解、反応を描いています。
精神病全般に言えることですが、周囲が「キチガイ」とレッテルを貼ることの問題が大きいのです。
そしてこの問題は「大阪小学校児童殺傷事件」を題材としてマスメディア批判に繋がります。
(宅間が死刑になったということは精神病ではなかったということです。
しかし「精神病→ヤバイ」という図式はステレオタイプとして確立してしまっています)
手塚治虫のブラックジャックは天才外科医でしたが、この主人公は医科をたらい回しにされる研修医。
しかも今回のエピソードでは影も薄くほとんど喋りません。
「海猿」で人間の根源的な生を描いた佐藤秀峰が今回挑んでいるのは、社会の中の生なのかもしれません。
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