みなさんは「労働組合」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
政治団体?左翼?デモ隊?赤い腕章?会社にあるけどよくわからない?組合員って会社員と違うの?
ただいまブログ界隈では「生産性と賃金と経済学」といった高尚な議論が交わされていますが(分裂勘違い君劇場 – 今回の生産性論争の流れを簡潔・公平・分かりやすくまとめてみた)、現場の視点で見たときに労働者の賃金はどのように保全されているのでしょうか。
小生は今期、会社労働組合の書記長を勤めております。
当社は創業年数は長いが社員数は100人程度のいわゆる中小企業であり、労働組合の執行委員は一般社員(管理職以外)が持ちまわり制でやっています。
小生も自分の順番が回ってきたときは正直「メンドイ」と思いましたし、今でもそう思っています。
しかし労働組合の存在は資本主義経済を補完する上で非常に重要なものです。
会社と労働者は「雇う-雇われる」の関係にあるため、労働者側の立場はどうしても弱いものになります。
そりゃ、理想論では労働力の対価に不満があれば別の会社と契約を結ぶことになるのでしょうが、現実はそうもいきません。
そこで、弱い立場にある労働者は団結して会社に対抗する権利が法律で認められており、労働組合として成立しているのです。
(会社の規模により、また産業により労働組合の性質は大きく異なります)
さて3月は春闘の時期であり、来年度以降の賃金(ベア)、さらに一時金(夏季)について会社側と交渉する時期となっています(団体で交渉する権利も法律で認められています)。
この時期に組合と経営の間で団体交渉が繰り返され、労働条件が決定していくのです。
しかし団体交渉を幾度となく繰り返しても、一時金の割り数は1割も上乗せされず、月額賃金も上がりません(ベアなし)。
結果だけ見ると「賃金なんて会社が決めるものだ」と考えてしまいますが、この結果に至るまでの経緯、交渉に意味があるのです。
今後は能力主義の傾向が高まり、個人が直接会社側と交渉し契約するという流れになっていくでしょう。
しかしそんな状況だからこそ、社員同士が連帯することの意味についてもう一度見直してもよいのではないでしょうか。
社員全体の利益を要求する窓口があり、経営側もその窓口を通して労働条件を決めていく。
このような窓口になることが労働組合の存在理由だと考えます。
今春闘、みなさんが働いている最中にも、自分の仕事を中断して団交に臨んでいる執行委員の姿に思いを馳せて頂ければ幸いです。
(この年度末の忙しい時期に、そのせいで自分の仕事が滞っているんだよ!)
補足1
執行委員になれば団交の場で会社役員と対等な交渉ができるようになります。しかし勘違いしてはならないのは、自身の能力が高いから経営層と交渉ができるのではなく、組合の代表だから会社側が交渉しているにすぎないということです。
これを肝に銘じておかなければ、組合権益にはまってしまうことでしょう。
補足2
当社の組合は業界連合からは距離を置いています。業界連合の重要性はわかりますが、デモ行動やビラや裁判闘争や署名やカンパなどは辟易してしまいます。
補足3
組織率低下が言われる昨今、労働組合がどれだけ存在感を持っているのか、はてなでアンケートをしてみます。
人力検索はてな – 労働組合に関する質問をします。
この結果も後日公開できればと思っています。
コメント
はじめまして。貴ブログへの突然の書き込みをいたします失礼をお許しください。「運動型新党・革命21」準備会の事務局です。
私どもは、このたび「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て・人権抑圧政策などに抗し、新しい政治潮流を創りだしたいと願ってです。
私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、様々なグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
★既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党(構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制の4原則)
この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。
なお、「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、下記のサイトでご覧になれます。rev@com21.jp