ビデオに録りためてなかなか進んでいなかったNHK ハーバード白熱教室をようやく見終わりました。
前半は身近な事例で自分の認識の矛盾を突かれるなど気軽に面白く見れましたが、後半は巧みに哲学的な授業に持ち込まれ、なかなか見応えのある内容に。
仕事から帰って気軽に流せる内容では無くなっていた・・・。
以下、自分のメモから抜粋と勝手な解釈。
・カント、ロールズの「自由」 VS アリストテレスの「善き生」
→近代的な自律した自己と古代ギリシアの目的論的な生。アリストテレスは死んでいない!
・自然的な義務(対人)、自発的な義務(契約)、そして「集団構成員としての義務」
→そのコミュニティに存在していることで発生する義務。
→自己の物語的観念:過去、歴史、伝統、文化を引き継ぐ「負荷」ある自己。
・リベラル(中立)な態度
→「善」や「目的」を議論することは避けられない。
→議論とは一つの原理を探し出すことではない。
→それは↓
・弁証法・反証的均衡
→一般的原理と個々の事例に対する判断を相互に往復。
→これは今回の一連の講義そのものではないか!
→Ω ΩΩナ ナンダッテー!!
→正義へのアプローチもこの手法が通じる。
・リベラリズム(判断中立→思考停止)が蔓延する現代
→生命、戦争、市場などにまでリベラリズムな態度でいるのはいかがなものか?
→サンデル教授のリベラリズムに対する戦いは、いま始まったばかりだ!
「コミュニタリアニズム」という概念を今回初めて知り、小生の中で色々な疑問、課題が腑に落ちた感じです。
これが今まさに日本に求められている「哲学」ではないでしょうか?
そして週刊東洋経済が哲学特集。
週刊 東洋経済 2010年 8/21号-実践的「哲学」入門
早速購入しましたが、これはわかりやすい!
「リベラリズム」、「リバタリアニズム」、「コミュニタリアニズム」、「コンサバティズム」の4象限で、現代日本が抱える様々な課題を解説(ちょっと無理矢理な部分も感じたけど)。
#「リベラリズム」は「自由主義」というよりも「公正さの追求」という理解が適切との解説に納得。
そして文章として読むとテレビと違いスラスラと頭に入る。
音声だけだと、どうしても思考が浅くなるのかな。
特集にあった自分の立ち位置チェック結果(中央赤字)↓
なんたる中庸www
自分でもこの偏りのなさに驚きました。
おそらく各チェック項目の回答に一貫した軸が無いからなんだと思います。
(そしてそのこと自体は悪いことではなく、一般的な社会人はむしろこんな傾向になるのでは)
講義の内容は書籍化しているようなので、これを読めばより理解が進むかな。
これからの「正義」の話をしよう
オマケ
8月25日に日本でもサンデル教授が講義を行うようだ。
果たして白熱した議論は交わされるのか?秋にNHKで放送予定。
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