「そうです。あの人を殺したのは私です」
断崖絶壁を背に、テレビ欄の3番目に名を連ねる女優が独白した。
「やっぱりあんただったのか・・・」
船越英一郎はそうつぶやき、女の手に手錠をかけたのだった。
「宮崎特急湯煙巨人軍キャンプ連続殺人事件」
--完--
前回の「九州は宮崎に行く。」の続編です。
特急は「延岡駅」に到着しました。
駅を降りればタクシー乗り場が待ち構えているだけの小さな町です。
風景に似つかわしくない、旭化成工場に向かうであろうスーツを着たビジネスマン達が、するするとタクシーに乗り込みます。
なお以後、写真を撮らなかったため文字のみでお楽しみください。
「これが究極の地鶏の炭火焼さ」
「まぁ、これが?見た目は無骨な感じであまり・・・」
「オイオイ、ホントにこれが究極の地鶏の炭火焼なのかー」
「まずは味わって頂きましょう」
「まったく、不味かったたらただじゃおかないからな・・・こ、これは!!」
「美味しいわ、まったりとしていて、それでいてしつこくなくて」
「ここらの地鶏は放し飼いにされていて、有機農法の餌しか食べていないんだ。だからブロイラーのような臭味が(略)」
「うひょーーコクがあってジューシーな鶏だ!」
「まったく、それで究極とは。お前はどこまで情けないやつなんだ」
「○原○山!!!」
「審査員のみなさま、まずはこの黒霧島をひと口飲んで頂きたい・・・」
薄れ行く意識の中で小生は全てを理解した。
(ああ、九州の人は酒が強かったんだ・・・)
時は流れ、翌日2月9日13時の羽田空港第2旅客ターミナル展望デッキ。
地鶏も魚も焼酎も旨い九州宮崎延岡でした。季節になれば鮎が絶品だそうです。
また行ってみたくもありますが、宿泊したホテル周辺にはコンビニもない小さな町です。
以前は旭化成工場から空港までヘリが飛んでいたとか。そんな業者泣かせの陸の孤島。
利用率は低くても高速道路は必要なのかも、九州新幹線は必要なのかも。
そんなこともちらりと考えた、年に1回あるかないかの遠距離出張でした。
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