023.職務著作の判断基準〔RGBアドベンチャー事件:上告審〕

著作権

概要

  • 2003年(平成15年)4月11日:最高裁
  • 著作物が共同著作になる要件は?
  • X(原告):香港在住中国人
    • アニメーション製作技術の習得を希望して来日
  • Y(被告):アニメーション企画制作会社
  • Xは3回来日
    • 最初の2回は観光ビザ
    • 3回目は就労ビザ
  • いずれもYの会社で就業
    • Yがサポート(住居・賄い付き)
    • 基本給名目で一定額の支払い
  • YはXが作成した図画を使ったアニメーション作品を公開
    • Xの氏名が表示されていない
  • Xは著作権・著作者人格権の侵害で損害賠償請求
    • 一審:職務著作であるとして棄却
    • 高裁:3回目は職務著作(Yの著作物)だが1,2回目は雇用関係にないため著作権侵害とした
    • Yは上告

判旨

  • 破棄差し戻し
    • XとYの雇用関係は雇用契約等の形式的なものではなく、その実態で判断すべき
  • 差し戻された高裁では、改めて1回目の来日後から雇用契約にあり職務著作が成立するとしてXの請求を棄却

ウェブディレクターの視点

業務に従事して制作した著作物(著作者人格権含む)は、法人に帰属することを職務著作といいます。この規程がないと、会社員が仕事で作ったありとあらゆる文章の著作権が、その社員個人のものになり会社運営、ひいては社会が大混乱してしまいます(著作権法はこういう現実社会の実態とすり合わせた法規が多いように感じる)。

今回の判例は、職務著作は形式的な雇用関係ではなく、実態的な業務に従事している関係性で決きまるというルールを確認したものとなります。

※雇用ではなく請負制作している場合は個別に契約書で定める。

なお、本書には最後に派遣労働者について書かれていました。実態的な業務で判断しないと、派遣労働者が派遣先で制作したものが、雇用者(派遣元→パソナとかリクルートとか)の著作物になってしまい、これまた実務上、大混乱します。

「RGBアドベンチャー」って

本論とは関係ありませんが「RGBアドベンチャー」を調べてみました。

RGBアドベンチャー - Wikipedia
  • 光の三原色をテーマにしたアニメ作品
  • 2006年11月19日から2007年1月21日までBS-iで毎週日曜9時30分-10時00分に放送されたアニメ作品

あれ放送年が裁判より後だ??

1998年にライドアトラクション向けに製作された同名の約8分間のフルCGアニメーション(原作モンキー・パンチ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/RGB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC

こちらが裁判の対象の作品だったのかもしれないと調べると、このサイトにもう少し情報が掲載されていました。

東京にあるテーマパーク「ナムコ・ワンダーエッグ2」の体感シュミレーションライド「ミラクルツアーズ」の中で、トニーさんの作成したキャラクターが実際に使用されていた

ナムコワンダーエッグって、どこのテーマパークだっけ?と調べたら、どうやら2000年に閉園し、再開発により今の二子玉川ライズが建築されたようです。時の流れを感じます。

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